- 投資は長期的な利益を見越して出資をすること
- 投資は全員が利益を得ることのできるプラスサムゲーム。逆に投機はゼロサムゲーム。
- 投資には大きく分けて3種類。有価証券への投資、不動産投資、その他資産への投資
投資と投機の違いをしっかり理解しよう
投資と投機。
多くの投資初心者が「投資始めたよ」と言いながら、実は投機をしているのをご存じでしょうか。
投資というのは、投資先の将来性を見越して長期的に利益を得るための出資。
逆に、投機というのは、相場の変動などを利用して、短期的な利益を目的とした資産の売買です。
株式取引を始めた初心者が陥りがちな罠として、買った株の値動きに振り回されて、短期で売買を繰り返してしまう、というのは投機的な動きになります。
では、投機で利益を得ることは不可能なのでしょうか?
結論から言うと、不可能ではありません。ただし、投機で利益を得るには市場に参加している他の投機家と勝負して勝つ必要があります。
それは、投機はゼロサムゲームだからです。
ゼロサムゲームというのは、誰かが得をしたら他の誰かが同じだけ損をするゲームです。
株でいうと、あなたが株を高く売却出来たら、他の誰かが高掴みしたことになりますよね。つまりあなたが得をしただけその株を買った誰かが損をしているわけです。
証券会社やヘッジファンドなどのプロを相手に、あなたはこのゲームで勝つ自信はありますか?
逆に、投資はプラスサムゲーム、つまり市場全体が得をできるようになっています。
投資であれば、プロなどと勝負することなく利益を得ることが出来ます。
一般人、特に初心者が利益を得たいのであれば投資と投機、どちらの方がいいかは考えるまでもありませんよね。
3つの投資の種類
では、長期的な目線で投資を行うのであれば、なにをすればいいのでしょうか。
投資には大きく3つの種類があります。
1つ目は有価証券への投資。投資信託、株や債権などがこれにあたります。
株式は投資先の会社の利益の分だけリターンが得られる金融商品です。成長すると思われる会社の株を購入し、長期的に保有すればその利益が得られます。
債権は出資先の会社から元本に対して一定の額を払ってもらうことで利益を得る金融商品です。倒産しないと思われる会社の債権を購入し、長期的に保有すればリターンを得られます。
投資信託は基本的に株式・債権などを組み合わせた金融商品です。日経平均株価に会うように構成されたものや、プロの投機家にリターン最大化を目指してもらうものなど、様々な投資信託が存在します。少ない資金では出資できない株や市場に参加できるというメリットもありますが、高額な手数料がかかることがあるので、投資をする際は注意しましょう。
他にも、保険やオプションなど、様々な金融商品が存在しますが、基本的には上記の組み合わせ・資産の管理サービスにあたるものになります。
2つ目は不動産投資。
アパートや区分マンションなどを購入し、貸し出すことで賃料を得るという投資になります。
大きな特徴としてローン、つまり負債を活用してリターン最大化を目指すことが多いという点があります。
例えば、価格5,000万円、年間家賃収入100万円の物件を例に考えてみましょう。
現金で購入をした場合、その投資のリターンは100万円/5,000万円 = 2%になります。管理費、固定資産税、その他維持費や物件の価値低減を加味するとさらに低くなるでしょう。
そうすると、不動産投資は有価証券への投資に比べると魅力がかなり低いものに見えます。
ところが、同じ物件を頭金500万円、残りをローンで購入したとしましょう。そうすると手出しに対するリターンは200万円/500万円 = 20%になります。コストを引いた(※)としても、十分以上のリターン率になるのは容易に想像がつきますね。
※ここでいうコストとは、資産を減らすコストのことです。例えばローンの返済(利子除く)は不動産の所有権を銀行から買い取っているだけなので、資産を減らすコストにはなりません。
不動産投資は他の投資に比べると必要資金の額が大きいことが多く、また仕組みを理解していないと大きな損失を被る可能性のある投資です。他の投資先にも言えることですが、しっかり勉強をした上で挑戦しましょう。
3つ目はその他の資産投資です。
有価証券・不動産以外の資産への投資です。太陽光発電投資や、珍しいものだとワイン投資なども含みます。
ここで難しいのが、その出資が長期的に利益を出してくれる投資にあたるのか、単純に相場に掛けた投機にあたるのかの見極めです。
例えば、最近人気の「ロレックス投資」。過去数十年の相場を見ると確かに中古のロレックスの価格は右肩上がりになっています。
ただ、価格が上がった理由は単純に需要に対して供給が少ないから、ですよね。今後長期的に需要が伸び続ける・供給が絞られ続ける見込みがあるのであれば、投資として成り立ちますが、そうでなければ単純に相場の上昇に掛けた投機になってしまいます。
逆に、ワイン投資はどうでしょう。ワインというのは基本的に年数経過で価値が上がっていく資産です。
それは単純に味がおいしくなるからというのもありますが、希少価値が上がるからという定量的な理由が大きいです。例えば、2000年に作られたワインの量は減ることはあっても、増えることはありませんよね?つまり、長期で保有すれば、その価値が上昇する仕組みになっている、というわけです。
このように、一般的に投資と呼ばれているものでも実際には投機が含まれていたり、一見投機に見えるものでも実際には投資として成り立っていたりと、有価証券・不動産以外は投資・投機の見極めが困難なものが少なくありません。
自分がその分野の専門家であったり、明確な投資戦略を持って挑戦するのであれば良いですが、そうでなければ投資初心者は有価証券・不動産以外の投資は避けるべきでしょう。
ひつじからの一言
長期で見ると上昇傾向にあるにも関わらず、株式市場に参加する個人投資家は7割が損をしていると言われているぞ。これは、短期で株の売買を繰り替えす投機の罠に陥っているからだな。
資産形成をしたいのであればその罠に陥らず、長期的な目線で利益を出す株式投資や不動産投資を行おう!
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